ratio「政治とは何か」
- 作者: 選書出版部
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/01/30
- メディア: 単行本
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安藤君の論文。
『統治と功利』は難しすぎて読めなかったけど、これなら読める。予想どおり面白く、予想していたような道徳的立場。ある種偽悪家的。「〜ちゃんを守る会」等の募金活動の偽善性を論証する。考えさせられるが、やっぱり違うんじゃないかという気もする。ただ、それを論証するのは手ごわい。ちなみに、募金を集めるのに際し、その(被害等の)数字を強調する(例えば「飢餓が予想されるのは100万人!」)よりも、具体的に「〜ちゃんが苦しんでいる!」と広告したほうが、はるかに効果があるだけという調査結果は考えさせられる。
神崎繁「内乱の政治学」
あんまり論旨についていけなかったけど、プラトンが何らかの出来事を無視・抑圧しているという分析は面白い。古典研究の面白みをぐいぐい感じた。ただ、戦争犯罪に対して免責するようなアムネスティーの立場は、現代の内戦後、法秩序の回復を行う平和構築的な立場とは相容れないのではないかと思った。ちなみに、レオ・シュトラウスのことを「行間を読むのは得意だが、行そのものを読むのは不得意なようだ」と注で書く皮肉には爆笑。