チャットモンチー『告白』

告白

告白

チャットモンチーというのは、どこにでもいそうな素朴な感じなのに、どこにもいない不思議なバンドである。
これまでこのバンドは「シャングリラ」ぐらいしか気にならなかったけど、このアルバムは傑作といえるんじゃないだろうか。買ってからもう一ヶ月が経つけど、未だに聞き飽きず、家にいるときはずっと流したままである。
特に、①8cmのピンヒール②ヒラヒラヒラク秘密の扉③海から出た魚④染まるよ⑦ハイビスカスは冬に咲く⑨長い目で見て⑪風吹けば恋⑫Last Love Letter⑬やさしさ、は素晴らしい。
ボーカルの今にも泣き出しそうで一生懸命歌っている感じの歌声と、理解できない難解なところも多いけどなぜだか深く印象に残る歌詞は、このバンドに唯一性を与えている。
アルバムの最後のほう⑫Last Love Letterで、

私の届かぬあなたへ
愛のある日々を
栄光の結末を
どうか
あなたに あなたに

という部分の歌詞に、アルバムタイトル「告白−今こそ言おう(←アルバムについていたシールに書いてあった言葉)」が込められている気がして、この部分を聞くといつも涙を感じてしまう。
このアルバムは今年を代表する一枚になるかもしれない。